フランチャイズを始めるにあたって、何となく大きい負担がなく開業できると思っている人がいますが、いくらフランチャイズと言っても、開業のための資金は必要です。いくら加盟を希望しても、所定の投資額が用意できなければ、難しいものです。

しかし、開業時に必要な経費は、フランチャイズ本部によってかなりの差があります。開業・起業には、一体どのようなお金が、どの程度必要なのでしょうか。

FC加盟にあたって、必要な経費には、以下のようなものが挙げられます。

まず、ほとんどの場合、加盟金（契約金）が必要です。これはFC本部と契約するための、一番基本的な経費なので、額に差はあっても必ず必要になる費用です。本社によっては加盟金の他に保証金が必要な場合もあります。これは本社に対する債務の保証金という意味で、もしもフランチャイズ契約が終了すれば、返金されます。賃貸住宅を借りる際の保証金をイメージすると分かりやすいでしょう。契約を中途解約した際の取り扱いは、確認しておいた方がよさそうです。

次に土地や店舗の権利金などが発生することもあります。これは店舗物件を調達してもらうか、自前の不動産を使うかで、差が出て来ます。また、店舗のリフォームや什器などの設備投資も必要でしょう。フランチャイズ展開では店舗の仕様も一律化されていますので、省けない可能性が高いです。

そして、販売する商品の仕入れや原料の仕入れ、器具や備品・消耗品などの調達も、開業で一度に発生する初期投資費用と言えます。サービス業の場合は仕入れがほとんど発生しない業種もありますが、業務に使用する専用の道具が必要な業種もあるため、確認が必要です。

これらは契約して、店舗を構えるための経費と言えますが、開業前にオーナーや従業員の研修を義務付けているFC本部もあります。このような場合は、ズバリ「研修費」という名前で費用が発生します。

このほかにも「開店準備金」とか、「営業認可料」などとして別の初期費用が義務づけられているケースもありますので、書類や資料などで細かく確認が必要です。

いくらフランチャイズでの独立・開業・起業の成功率が高いと言っても、まとまった開業資金を出すことは、オーナーにとっては決断が必要なことです。初期費用はどうしても必要なものですが、やみくもに安く上げることだけに着目せず、その初期費用をどの程度の期間で回収できるのかを合わせて考えることが肝心です。

開業資金が高額であっても、安定的に高収入が見込まれる業種なら、案外短期間で初期費用分くらいは回収できてしまうかもしれませんよ。

フランチャイズ契約について調べていると、必ず「ロイヤリティー」というワードにたどり着きます。ロイヤリティーとは何かの権利を使用する際に、権利の保持者に支払う「使用料」のようなものを指します。たとえば著作権や特許権、印税などを考えれば、イメージしやすいでしょうか。

ロイヤリティーの計算方法はいくつかの方式がありますが、だいたい
＊粗利分配方式
＊売上歩合方式
＊定額方式
…の3タイプに分類できます。

「粗利分配方式」とは店舗の粗利、つまり儲け部分に、一定の割合をかけてロイヤリティを算出するという方法です。これはコンビニ業界が多く採用している方式で、ほかの業種ではあまり見かけません。具体的には40～70％くらいの範囲で設定されています。

「売上歩合方式」は、儲け部分ではなく、お店の「売り上げ」に対してロイヤリティを課す計算方法です。この方法の場合、FC本部としては加盟店の儲けに関係なくロイヤリティを算出できるので、多くの業種で採用されています。飲食関係で3～5％、学習塾などでは10～50％など、業種や会社によって数値にかなり開きがあります。

「定額方式」は、売り上げや儲けに関わらず、文字通り一定の額を毎月または毎年支払うという方法です。分かりやすいのが特徴ですが、実際の金額は取扱い商品やサービスの単価の差から、業種によってかなり開きがあります。数万円程度のロイヤリティが多い反面、高額な取引が発生しやすい通信業の代理店などでは、10万単位でのロイヤリティが求められるケースもあります。

一概には言えませんが、全体の傾向としては初期費用が抑え目の本部はロイヤリティが高めで、初期費用がしっかり掛かるケースではロイヤリティが抑え目、という傾向があるようです。