準備

準備」の目次です

諸手続き

いざ開業、と思い立ってから、実際にオープンするまでの流れはどうなっているのでしょうか。
もちろん、業種やそれぞれのチェーンによってさまざまなのですが、以下は、わたし(管理人)がとあるフランチャイズのラーメン店を開業したときのフローでした。

1.資料請求
すべてはまず、ここから始まります。
電話、インターネットなどで資料を請求できますが、わたしは電話にしました。まともな電話の受け答えができないところと契約はしたくないですからね。
一度契約すると、本部とは長い付き合いになりますので、電話での対応が親切か? パンフレットは分かりやすいか? など、さまざまな方向からじっくり検討してみましょう。

2.面談・質疑応答
資料を検討して、興味を持ったら、次は本部とコンタクトを取ります。
まずは電話でもいいのですが、実際に本部の社員と話して疑問点を詰めていったり、納得のいかない部分にはどんどん質問することが大切です。開業後に担当してくれる社員と顔をあわせたり、もし距離が遠くなければ、本社を一度訪ねておくことも重要です。

3.立地選定
希望が必ずしも通るとは限りません。わたしの場合、第1希望の地域にすでに同グループの別の店舗が出店していたため、競争を避けるため、近隣地域への出店となりました。

4.契約
グループの方針や契約内容をよく理解したら、いよいよ契約です。法律的に効力を発する書類なので、不明点をそのままにしておくのはよくありません。

5.研修
契約、即開業、というわけにはいきません。
本部での理論の講習、そして、業種によっては既存の店舗での実地研修があります。それによって、店舗がどのように運営されているかを身をもって学ぶわけです。
わたしの場合、理論は1週間、実地は2週間でした。実際にお客さんと接しているうちに、いよいよ開業するのだという感慨が沸いてくるものです。

6.広告・仕入れ・準備
開業にあたって確実に顧客を呼び込むために、広告は重要です。また、開業時はどうしてもばたばたしがちなもの。準備は、いくら周到にしても、しすぎということはありません。

7.開業
いよいよ開業です。
本部からお手伝いが来てくれることも多いです。開業当初は分からないことだらけでしょうから、本部と密に連絡を取り合い、疑問は早めに解消するようにしましょう。

必要な資金(業種別)

では実際、どのくらいのお金がかかるのか? を、業種別にざっと見ていくことにしましょう。
まず必要なのは加盟金ですが、研修費や商品仕入れ代、店舗の改装費が計算に入っていたり入っていなかったりで、ずばりいくら、と出すのは難しいです。以下の数字はあくまでも一般的な概算です。

まず、小売・販売業。

コンビニエンスストアの場合、どこのチェーンでも加盟金として最低250万円~350万円は必要なようです。
「ミニストップ」では、資金ゼロ、単身者でも1年後の開業が可能な「インターン契約社員」制度があります。

チケットショップの場合、200万円~400万円程度の資金が必要です。店舗の広さや内装はさほど重要ではないかわり、品物がないとお話になりません。

ガラス製品販売の場合、最低100万円程度の自己資金が必要になります。ガラスを彫るエッチングのための特殊な機械が必須です。

書籍・CD・セルビデオ(DVD)・TVゲームの場合、複合店だとどうしても店の面積も広くなくてはならず、店舗にかけるべきお金、そして品代がかさむのはやむをえません。2000万円~4000万円と、今までに取り上げたものとは文字通りケタ違いの資金が必要です。

自動車関連も、あまり店舗にこだわらなくてもいい場合が多いです。100万円以下で開業できるものもあります。

100円ショップも実際にかかる金額はさまざまです。加盟金、保証金、研修費などの名目で、最低150万円~300万円。そのほかに品代、店舗にかけるお金など。

次に、サービス業です。

運送・運転代行業は、加盟金として30万円~70万円が一般的。そのほかに車が必要なことはいうまでもありません。

AVレンタルは、加盟金は100万円~300万円。もろもろ合計すると、最低でも数千万円~数億円かかります。

各種教室は、加盟金が30万円程度~300万円程度と、ばらつきがあります。大きな教室が必要であればそれだけ必要な金額も多くなりますが、逆に、自宅でパソコン1台で開業できるようなスクールもあるので、予算に応じて選ぶのが良いでしょう。

クリーニングは、加盟金なし、総額20万円程度のところから、加盟金300万円、総額2000万円程度のところまでさまざまです。店の広さや経営形態によって変わってきます。

マンガ喫茶は、総額で3000万円~7000万円程度が標準的です。やはり設備が重視されます。

探偵・調査業は、逆に、店舗、仕入れ、商品といったものとは無縁の業種です。そのかわり、どこのフランチャイズでもたいてい研修費が含まれています。総額50万円~300万円程度。

理容・美容は、加盟金が50万円~200万円程度。設備費、研修費などを含めた総額は、700万円~1200万円程度かかります。

飲食業は以下のような感じです。

アイスクリームショップは、総額で300万円~1000万円程度。

居酒屋は、立ち飲みタイプの小さな店で総額1000万円程度、席数の多いいわゆる居酒屋だと3000万円~4000万円程度が標準的です。

うどん・そば店も、町中のスタンドタイプの店と、街道沿いの駐車場付きの店とがあって一概に比較はできませんが、250万円~5000万円程度です。

カレー店も店舗の立地や席数によって金額は大きく変動します。最低でも総額1000万円程度。カウンターのみの席数20席の店だと2500万円~3000万円といった具合です。

コーヒーショップは、都心の場合、坪あたり100万円前後という概算が成り立つといわれています。30坪なら総額3000万円程度という計算ですね。

寿司店は、加盟金が100万円~300万円前後。回転寿司であれば特殊な設備の導入が必要ですし、店の規模によって総額は左右されます。最低数千万円といったところです。

中華料理店は、加盟金が50万円~500万円程度。設備費、造作費などを考えると、合計額は最低でも3000万円~5000万円を見ておくべきです。

ハンバーガーショップは、加盟金が100万円~300万円程度。合計額は、600万円~3000万円程度が目安です。チェーンによって、大型店舗を得意とするところと、小回りの利くところとがあるので、予算と相談してみましょう。

ラーメン店は、加盟金が50万円~200万円程度。総額は、20坪の店で1500万円程度が最低ラインです。

レストランは、加盟金が150万円~350万円。街道沿いの大型店や、都心のビアホールの場合、総額は1億円を上回る場合も少なくありません。

必要な資金(概略)

フランチャイズということで、なんとなく、自己資金ゼロで開業できるというイメージを持っているひともいるはずです。しかし、どんな商売を始めるにしても、それなりの元手は必要なのです。

まず、たいていの場合、加盟金が必要になってきます。これは、そのフランチャイズとして名前を使い、ノウハウを利用するのですから、ある意味、当然ですね。

そして、開業する店の場所代。ただし、自宅を使ってできる(店を構える必要がない)業種の場合、この限りではありません。本部が斡旋してくれた、すでにある店を引き継ぐケースもあります。賃貸の家賃を払う必要がある場合もあります。
また、建物があってもそれだけでよいわけではないので、そのフランチャイズの基準にあったように改装しなくてはならないことも考えておかなくてはいけません。

初期商品の仕入れ代も、もちろんかかります。店はできたが、売るものがない、では困りますからね。
これも、ある種のサービス業のように、実際に品物を扱うのではない場合もあるので、一概には言えません。そういう職種でも、そのサービスを提供するための機材、設備を整えなくてはいけません。

いざ開業、となったら、忘れてはならないのが宣伝です。ただ店を作っても、それだけでは安定した集客は望めません。店の近所に配布するチラシ、いわゆる捨て看板、新聞の折り込み。最近ではインターネットのホームページを使うことも多いです。

さて、無事開業しただけで安心してはいけません。どんなことでも、始めたばかりのときはリスクがつきもの。とくに会社勤めをしていると、毎月だいたい決まった給料が入ってくることに慣れっこになってしまいますが、店を構えたからには、業績が重要です。
売り上げが少なければ、それだけ自分たちの生活に響いてきます。可能であれば、開業した時点で、半年分、1年分の生活費が残っていることが望ましいです(もちろん、多ければそれに越したことはありません)。

準備ということではここらへんまでの話になりますが、開業はあくまでスタートであって、ゴールではないのです。

親会社によって異なりますが、毎月、決まったロイヤルティを収めなくてはならない場合が多いのです。売り上げの何パーセント、となっていたり、あるいは固定の月額だったり、そのあたりは契約によります。

さらには、新製品への対応、老朽化した設備の回収、新規顧客の開拓、と、開業後もたゆまぬ努力が必要なのです。